第91号(H.12.11.25)

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民事再生法と…
北田副理事長のご逝去を悼む

No.2

カナディアンロッキーの旅

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組合の動き
同好会だより

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京都この100年
ふれあい美術館

バンフから ジャスパーへ    右京地区 田中  守

 関空から8時間余りで、 カナダの西部の玄関口、 バンクーバーに到着。 乗り継いで、 国内線で1時間20分で、 カナディアン・ロッキーの玄関口、 カルガリー空港に降り立つ。 時差は16時間、 入国手続をすませて観光バスに乗りこんだ。 まず向かったのは最初の宿泊先、 カナディアン・ロッキー南部に位置する、 バンフ国立公園の中心都市、 バンフを目指して快調なドライブが続く。 3時間程で到着。 人口約3,500人の小さな町だが、 世界の観光スポットとして世界中の人々が滞在する一大観光都市。 特に憧れのカナディアン・ロッキーをひとめ見ようとする日本人観光客には一番人気のある町。 宿泊先のリムロック・リゾートホテルに夕方5時過ぎに到着。 全室ロッキー山脈をのぞむ大規模リゾートホテル。 ここからは、 雄大なロッキーの山並みや、 ボウ川の悠然とした流れ、 渓谷の美しさを眺めることができる素晴らしいホテルである。 チェックインもそこそこに、 バンフの見どころ、 サルファー山へと急ぐ。 ホテルから数分の地にゴンドラ乗り場があり、 8分で標高2,285mの山頂に到着、 山頂からは、 バンフの街、 ボウ川、 湖や延々と連なるバンフ国立公園、 ロッキーの大パノラマ、 映画 「帰らざる河」 の舞台となったことで知られるボー滝を眺望することができた。
 1日目のメインレストランでのディナーは、 カナダ名物、 とってもジューシーでやわらかなアルバーター牛と、 ワインで、 カナダの味覚を堪能。 その後、 シャトルバスで市街へ向い、 遅くまでショッピングを楽しむ。
 2日目、 いよいよロッキー観光のハイライト、 期待に胸をふくらませ、 バンフからジャスパーまでのカナディアン・ロッキー絶景ルートを、 アイスフィールド・パークウエイ300km9時間の旅が始まる。
 ホテルを8時に出発、 天候は快晴、 目に入るのは真っ青な空と遥か彼方まで広がるロッキー山脈。 雪をたたえた3,000m級の美しい山々が、 ぐんぐん近づいてきた。 ハイウェイの標高は、 高い所で2,000m、 雄大な山並みと美しい湖の数々、 澄み切った空気、 大自然の魅力を心と体で感じることができた。
  「カナディアン・ロッキー観光のハイライト、 間もなくレイク・ルイーズに到着します。 ロッキーの宝石として最も有名な湖です」 ツアーガイドのアナウンス、 湖の長さ2.4km、 幅300m、 氷河の浸食活動によって削られたくぼ地に、 氷河の解けた水がたまってできた氷河の湖、 不思議なエメラルド色の湖水の向こうに立ちふさがる巨大な氷河。 針葉樹林に囲まれた美しいレイク・ルイーズの神秘的な眺望を前にして、 カナディアン・ロッキーの大自然の美しさに心奪われた。
 感動的な景色がつづく街道をさらにゆくと、 展望台から見下ろす形になる、 ひと味違った湖、 ペイト・レイクに到着。 湖の色が、 季節や時間帯によって微妙に変化する。 深緑の針葉樹林が湖面の自然の美しさを引き立てている。


  「アイスフィールド・パークウェイ」 のハイライト、 コロンビア大氷原に到着。 今日の出発地、 バンフより180kmの地点にある。 この大氷原は、 325kmに及び、 北極圏外では、 北半球最大の氷原、 氷の厚さはなんと最大365m、 この氷原から流れ出る多くの氷河のひとつ、 アサバスカ氷河まで、 バスと特別な雪上車を乗り継いで氷河の上に立つことができた。 氷河に冷やされた強風が吹いて、 とてつもなく冷たい。 改めて、 自然のスケールの大きさに驚かされる。
 いよいよ9時間に及ぶ旅も終りが近づき、 カナディアン・ロッキー第2の都市ジャスパーに到着。 宿泊先は、 ボーウェア湖畔の辺に建つジャスパー・パーク・ロッジ、 このホテルは、 ゴルフコースや乗馬コースもあり、 ジャスパーの名門ホテル。 コテージタイプの客室が広大な敷地に点在。 本格的な豪華な客室を備えたロッジ。 一歩外に出ると、 きれいに刈られた芝生と並木、 その地続きには、 ボベール湖の青く澄んだ水がすばらしく美しい。 メイン棟は、 調度も雰囲気も素晴らしく、 ゆったりとソファに身を任せ、 大自然の中で優雅な時間を楽しむことができた。
 大山脈や自然が繰り広げる壮大なカナダの息吹に感動しながら、 明日のマリンレイクを楽しみに前半の終了とします。

ジャスパーからエドモントンへ    右京地区 今西  衞

 ジャスパーの夜は、 暗い夜空に、 キラキラ光る星と、 月光輝く静寂の中にあった。
 カナディアン・ロッキーの山々に囲まれた、 ジャスパーパークロッジから後半の旅が始まる。 雪や氷河に頂を覆われた山々の、 今日までの余韻を残して、 次の日マリンレイクに向う。
 季節によって水面が20メートルも違う不思議な魔法の湖メディスンレイクを眺める。
 長さ22キロ、 幅1キロメートルの細長い湖である。
 呪われた川、 悪魔の川と呼ばれるマリーン川は、 小さな流れとなって道に沿ってさらさらと流れる。
 バスから降りると、 そこには絵葉書を見るような、 青く静かな湖が待っていた。 氷河湖としては世界一のバイカル湖に次ぐ2番目の湖である。
 原木で造られた階段を降りて遊覧船に乗る。 奥に進むにつれ、 水面はエメラルドグリーンに染まってゆく。 湖面の映す山影は、 一層満ち足りたゆとりの時間を与えてくれる。
 ほどなく、 よく知られたスピリットアイランドを一望できる対岸に着いた。 この島は数本の針葉樹の木立ちが格好よく並ぶ小さな島である。
 過し日、 写真コンテストで世に出たといわれている、 若い女性の船長のクラクションを合図に再び船に乗る。 カヌーを漕ぐ若いカップルのそばでは、 スピードをゆるめ、 波を起こさせないやさしさがある。
 帰り際、 バスから降りて日本料理 「伝次郎」 で昼食をとる。
 ジャスパーは箱根と、 マリンレークは芦ノ湖と姉妹提携をしている。


 

一度ホテルに帰り午後はオプショナルツアー。 目指すはノベスキャベル山である。
 フロントガラスの割れたライトバンで細い山道を走る。
 目前にエンゼル氷河を見ながら氷の湖まで山道を歩いた。 誰れかが口に入れている、 ザラザラとした氷である。
 谷底を歩きながら人間の儚さを感じる。
 翌朝、 午前7時ホテルの庭の中の蒸気の立ち上る湖を後にして、 ジャスパーに最も近い空港のあるエドモントンに向う。 直線道路が23キロのところもあるという、 遠い道のりを四時間かけて、 ひたすらバスは走りつづける。
 中間点のニスクの町で、 チキンの昼食をとり、 空路バンクーバーへ。
 バンクーバー到着後、 クィーンエリザベス公園へ立ち寄る。
 バンクーバーは、 カナダ3番目の都市で人口195万人の、 都市計画のできた街である。 街路は東西南北を指し、 南北は人名、 東西は数字である。 ゴミ箱は裏通りに置き、 美観を大切にする街である。
 横浜市と姉妹提携をして35周年を迎える。 街を走るトロリーバスは、 かつての京の街の面影を思い出させる。
 夜は、 お寿司屋さんの日本料理である。 少々カナダの地ビールをいただき、 フラフラとハイアットリージェンシーホテルへ帰る。
 翌日は、 最終コース、 ブッチャード公園のあるビクトリアである。 朝の時間が早い。 5時半モーニングコール、 7時半のスタートである。 バスで約40分位で港へ着く。 スピリット・オブ・バンクーバーランド号というフェリーである。
 6階建、 定員2,100人、 車450台の巨大なこの船は島々の間を縫ってゆく。


 

着いたのは、 バンクーバー島のビクトリアである。 気候は温暖で、 雪の降らない世界の楽園である。
 年配の男女が真赤な服を着て寛ぐ、 長閑な花園である。
 12番まで番号のついた花壇に様々な花が咲き乱れる。 採石跡にロマンをかけた、 創業者の心意気がうれしい。 総面積20万坪、 この内庭園8万坪。 ビクトリアは、 レンガ造りのイギリス風の建物、 街路灯に 「つり花」 を飾る街を後にして、 再びバンクーバーへ戻る。
 窓に夜景、 エリザベスガーデンの中のレストランで、 さよならパーティ。 上田理事長のご挨拶と、 林近税会副会長の乾杯で始まる。 数々の思い出を残して、 この旅の終焉である。
 カナディアン・ロッキー、 それは雄大である。 自然の営みの中で人間の存在が、 如何に小さいものであるか、 今私は感じている。
 執筆中に訃報に接した。 北田功先生が精力の限りをかけられた、 この旅の企画を思い、 哀悼と感謝の気持ちを捧げたい。 参加されたご夫人に託されたご挨拶の中の、 今の世情を憂う一言が胸をうつ。


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